超激辛非国民ブログ

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はだしのゲンが見た地獄

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

  • 作者:中沢 啓治
  • 発売日: 1993/04/01
  • メディア: コミック

 75年前の今日(8月6日)、広島に原爆が投下されました。そして、今でも被爆者はいつ発病するかなどという恐怖に怯えています。こういった方々は今でも戦争は終わっていません。戦争というのは、被害者からしてみればいかなることがあっても終戦はないのです。

 

 原爆によって町や人間がどのような状態になったかというのはやはり「はだしのゲン」を読むのがいいと思います。漫画でも、ガラスが全身に突き刺さった女の子や全身の皮膚が溶けて人間としての原型すら留めていない人間や大量の蠅がたかっているシーンや建物が跡形もなくなっているシーンなど、作者が見た状態に極めて近い状況が描かれており、漫画でも目を背けたくなります。しかしながら、目を背けてはいけないのです。それが戦争であり核兵器の実態なのです。

 

 そして、現代でも世界各国に核兵器が存在し、明日にでも第二第三の広島や長崎の惨劇が起こってもおかしくない状況が続いています。なにせ、核ミサイルを飛ばす気はなくても間違えてボタンを押してしまえば飛んで行ってしまうのだから。

 そんな状況に対して日本ができることは、核拡散防止条約に署名し賛同国を少しでも増やし世界唯一の核兵器被害国としてアメリカなどの核保有国に対して物言うことです。アメリカが核を放棄すれば中国や北朝鮮だって核など持たないでしょう。中国などが核を保有しているのはアメリカが核を持っているからです。血反吐を吐くマラソンはどこかで終わらせないといけません。

 

 話は変わりますが、はだしのゲンで中沢啓二が描きたかったことは、勿論原爆の実態であることでしょうが、そんな惨劇を招いた国民の全体主義村八分朝鮮人差別というのも同時に描きたかったのではないでしょうか。

 というのも、ゲンのお父さんは町内会での竹やりの練習を馬鹿にしたりしてひたすら戦争に反対してました。そのために栽培していた小麦を荒らされたり、あるいはゲンのお母さんが買い物に行っただけで聞こえるように罵倒されたり、ゲンのお姉さんが学校の教室から物がなくなって真っ先に疑われて男の教員の前で裸にされたりという侮辱を味わっています。これこそが全体主義同調圧力の実態でしょう。そして、そんな同調圧力がいつまでも戦争を長引かせ、原爆に限らず沖縄や硫黄島のようなこの世の地獄が日本各地で起こってしまったのでしょう。

 

 しかしながら、ゲンの一家の悲劇は原爆だけでは終わりません。原爆によってお父さんとお姉さんと弟と家を失ったゲンは生き残ったお母さんと生まれたばかりの妹とお母さんの学生時代の友達を頼ることになります。お母さんの友達はゲンたちを歓迎しますが、姑と子供が執拗にいびられます。そして、そんな仕打ちに耐え切れなくなったゲンたちは予科練から戻ってきた一番上の兄と合流してお母さんの友達の家を飛び出しました。

 そして、その後も様々な困難があるのですが、その中でお母さんが感じたことは日本人は弱いものを見ると容赦なく容赦なく弱い者いじめをするということでした。

 人間は困難に陥った時孤立したり罵倒されたりするのも戦争と同じぐらいのじょごくであるということがはだしのゲンを読んで思ったことです。

 中沢啓二氏は、全体主義同調圧力は人を容赦なく殺すということをはだしのゲンを通じて核兵器の実態と同じように伝えたかったのではないでしょうか。

 

 人類が生きている限り戦争はなくなりませんが、せめて国民ができることは戦争を賛辞するような政治家だけは絶対に狂信しないことくらいでしょう。そして、他国の戦争を他人事は思わないこと。そして、戦争で儲けるのは軍産複合体の経営者と大株主だけだということを認識する。これだけでも、物の見方は変わるはずです。

 人類が滅ぶのはやはり世界核戦争でしょうか。現実に世界で核が同時に使われたら人類なんてあっという間に滅びます。北斗の拳みたいなことはあり得ません。

 

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