予想通りというべきか、自民党総裁選は菅義偉の圧勝で終わった。元々、最初から菅の次期総裁は決定事項で、一応民主的に選挙で決めましたという体裁を整えただけであることは明白である。岸田文雄や石破茂は、まさにかませ犬であったといえよう。特に、党員票は採用しないというのは、党員に人気があった石破への露骨な嫌がらせでしかなく、何から何まで菅の圧勝のための筋書き通りに進んだだけの党内選挙であった。こんな党内選挙など、悪名高き実写版進撃の巨人はおろかデビルマンにも劣る。どうせ茶番劇なら、もっと徹底的にコントでもしろよ。少しはアメリカのプロレス団体のWWEの台本や演出でも真似でもしたらいかが?
さて、菅政権がの方針は「自助・共助・公助」となっており一見すると至極当たり前のことのように思えるが、これは政府が怠けることを宣言したも同然なのである。
というのも、このスローガンは小泉政権からすでに自民がやっていたことだからである。小泉純一郎はこれを自己責任と言っていた。こう言っておけば、いかなる事情で生活困窮者になっても、政府は自助が足りないと言って門前払いにして生活保護をはじめとする社会保障を使えなくさせることを合法化できるからである。ひいては、日本国憲法25条の生存権の保障をしないという重大な憲法違反に繋がるのと同じである。
その結果、市井(しいとは絶対に読まない)の生活は破壊され続け、巷に貧困層が溢れかえり結婚や家庭を持つという犬猫ですら当たり前にするようなことすらできない相対的貧困がもたらされた。そして、そればかりではなく、認知症や障害を持つ家族を抱えても国が自助でなんとかしろと門前払いした結果、家族間殺人が激増したり、生活困窮老人が衣食住の確保のために万引きやその他犯罪を犯して刑務所に入ったりしている現状がある。現に、今は刑務所も生活困窮者の比率が高くなっているという。
そして今はコロ助(新型コロナウィルス)倒産や、コロ助失業者も溢れかえっているが政府はそういう人間を見殺しにして、アメリカや外資や経団連のバカ犬っころしかやっていない。
菅が総理大臣になるということは、そういったことをそのまま引き継ぐということである。そうして、行く末はアメリカや外資を儲けさせるためだけの増税や更にはありもしない近隣諸国の脅威を煽り立て軍産複合体を儲けさせるためだけにポンコツ兵器を税金で爆買いし、少子化を理由に年金や社会保障を削減し続け、富裕層でない市井は何もかも政治家に略奪されて丸裸にされてしまうのである。
これでもまだ旧民主党より自民がましなのか?私も旧民主党は支持していないが、それでも小泉政権からの自民よりはましである。少なくとも、旧民主党は、公文書の改ざんやメディアの私物化などといった民主主義を覆すことはやってはいなかったので。
書いててつくづく嫌になるが、書かずにはいられなかった。日本人は痛い目に合わなければ自覚しないというが、先の戦争で散々地獄を見てもたった75年でこんな有様でしかも自民を狂信するのだから、もはや救いようがない。憲政記念館で憲政の神・尾崎行雄が涙も枯れる思いであることは間違いない。