プリキュアシリーズに多様性を見出す
先日のひろがるスカイプリキュアで、レギュラーではシリーズ初の男の子プリキュアが登場した。ただ、厳密に言えば変身したのは人間の姿になれるオスの鳥なので、完全な男の子なのかは判断が別れるところではある。
この男の子プリキュアに対してはSNSやネットの掲示板では否定的な意見の方がかなり多かったようだ。
その内容は時代に媚びるなだのストーリー展開が雑といういかにもマニア的なものだらけであった。
しかしながら、プリキュアシリーズのメイン視聴者は未就学女児である。要は、メイン視聴者が楽しめればそれでいいのである。わざわざ大の大人が知ったかぶりして偉そうに喚き散らすものではない。
プリキュアに時代に媚びるな云々というなら仮面ライダーや戦隊シリーズにも同じことを言わないとおかしい。戦隊シリーズだって世相や時代を反映した作りになっているし、仮面ライダーだって今は女性ライダーが当たり前のように出ている。昔は考えられなかったことである。
プリキュアが世相や時代を反映するのは今始まったことではない。以前も悪の組織がブラック企業的だったりしたこともあったし、日本人とメキシコ人のハーフがプリキュアのメンバーだったこともあるし、前作のデリシャスパーティプリキュアはオカマキャラがでていたし、主人公の幼馴染の少年がプリキュアではないが共に戦っていた。
更に、プリキュアのメンバーだってハーフだけでなくアンドロイドや宇宙人や人魚だっていた。
このように、最近のプリキュアに一貫しているのは社会の多様化ということである。人間社会というのは、様々な種類の人間で構築されているということをスタッフは世に問いたいのではないだろうか。そして、未就学児がそんな内容を見ていればおのずから社会の多様性を認識できて誰でも暮らしやすい社会を目指そうとするのではないだろうか。
プリキュアシリーズには、これからも様々な人間やそれ以外の生物でもメンバーにしてほしい。そして、誰も排除されない社会を築くことに何役も買ってほしいと思う。常識でしか物事を考えられない大人の苦情なんて聞くことはない。